前回は健康食品を利用する年齢層の割合と年間の購入金額についてご紹介いたしました。
今回はその健康食品に対して、利用者は何を求めているのかを見ていきましょう。
今回のデータも㈱インテ―ジの「健康食品・サプリメント推定市場調査レポート」を参照していきたいと思います。
(参照:生活者起点での健康食品・サプリメント市場 実態 〜インテージ 健康食品・サプリメント市場実態把握レポートより〜)
2012年ランキングのトップに輝いたのは「美肌・肌ケア」でした。
市場規模は1,674億円です。
続いて「健康維持・増進」で、市場規模は1,450億円。
1,000億円を超えているのはこの二つだけです。
以下の順位を10位まで見てみましょう。
1位 | 「美肌・肌ケア」 | 1,674億円 |
2位 | 「健康維持・増進」 | 1,450億円 |
3位 | 「関節の健康」 | 910億円 |
4位 | 「疲労回復」 | 859億円 |
5位 | 「栄養バランス」 | 815億円 |
6位 | 「目の健康(ドライアイ対策を除く)」 | 761億円 |
7位 | 「抗酸化・老化防止」 | 610億円 |
8位 | 「減量(とにかく体重を落とす)」 | 579億円 |
9位 | 整腸・便秘の改善 | 551億円 |
10位 | 血液サラサラ | 503億円 |
いかがでしょうか。
このレポートデータは、生活者・消費者視点でのヘルスベネフィット(健康効果)別に分けたカテゴリーを選択するという形式で行われています。
つまり、予め定義されたものを選んでいますので、大まかなニーズが細分化されていてとても興味深いデータですね。
私が面白いなと思ったのが、健康食品に求めている効果で「美肌・肌ケア」が1位なのに対し、「抗酸化・老化防止」は7位であることです。
市場規模にすると、およそ3倍近い開きがあります。
前回ご紹介したように健康食品を利用されている年代は60代女性と40代女性が多いので、「美肌・肌ケア」が最も望まれるのは当然理解できます。
40歳を過ぎて、若い頃には目立たなかったお肌のトラブルをできるだけ少なくしたいというニーズがこの数字に表れているのだと思います。
しかし、40代と20代、ましてや60代と30代を比べることはあまり意味がないと、恐らく利用者ご本人も思われているかもしれません。「抗酸化・老化防止」つまりアンチエイジングは、商品選択ニーズの上位ではないのです。
このギャップに対して、私はあることを思い出しました。
それは、「人は実年齢よりも自分は若いと思っている」ということです。
一例として面白い記事をご紹介いたします。
「実年齢より見た目が若い」と自認する男女、30代後半から急増!
女性は9割!?見た目と年齢のギャップ調査で明らかに
総合婚活サービス「ブライダルネット」を運営している株式会社IBJが実施した「実年齢と見た目年齢のギャップ調査」によると30代後半になると男女共に「自分は実年齢よりも見た目が若い」と認識する人が急増するそうです。
30代後半女性の場合、その割合は10人中9人なのだとか。
実際、私もアラフォーですが、見た目はともかく、気持ち的にはもっと若いと思っています。
これは裏返せば、実年齢よりも「自分は若く見られたい。」という心理が働いています。
昨今の「美魔女ブーム」を見てもその容姿と実年齢のギャップに驚いたり、憧れたりしますよね。
しかしながら重要なポイントは、売り手側がいくらアンチエイジングを訴求しても消費者は自分が年をとっているとは認めたくないことです。
「アンチエイジング」よりも「美肌」が刺さるのです。
たとえそれが、同じことを意味するのだとしても。
もちろん「抗酸化・アンチエイジング」という表現方法は薬事法でNGワードですので、直接的な訴求ができないという面もあります。
薬事法や景品表示法に沿っている間接的なのだけど、消費者の本来のニーズと見栄の部分を刺激するような表現方法を見付けられると、売れる商品になるのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
ご興味がございましたら、お見積りは無料ですので、お気軽に
お問い合わせください。
今回のまとめ
だからこそ「アンチエイジング」よりも「美肌・肌ケア」
口には出さないニーズをくみ取ることが大事である。